表紙 「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック 東京都福祉保健局 このマークは目の不自由なかたなどのための音声コードで、コードの位置を示すために切り 込みをいれています。専用の読み上げ装置で読み取ると、記載内容を音声できくことができ ます。 2ページ はじめに  とはこれまで、誰もが暮らしやすく、訪れやすい社会を実現するため、ユニバーサルデザ イン ※@ の理念に基づく福祉のまちづくりに取り組んできており、高齢化の進展や障害 者差別解消法の施行、さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会    かっこ以下 東京2ぜろ2ぜろ大会 という 開催を機に、こうした取組をより一層加速 させることが期待されています。  東京を訪れる人を含めて、誰もが円滑に移動し、一人でも同行者と一緒でも同じように食 事や買い物などが楽しめるまちづくりを進めるためには、施設とうのハード整備とともに、 誰もが必要な情報を容易に入手できたり、適切な時期にコミュニケーションを図れるように することや、真に必要としている人が利用できるよう施設 設備の適正利用を進めることな ど、ソフト面の取組も必要です。  このハンドブックは、障害の社会モデル ※A の考え方に基づいた 心のバリアフリー  について、分かりやすい具体的な事例を交えながら紹介し、都民の皆様の理解促進につなが るようまとめました。 東京2ぜろ2ぜろ大会開催時には、世界中から様々な人々が東京を訪れます。多様性が尊 重されたダイバーシティ ※B を目指して、心のバリアフリーに対する理解が広がり、 多くの人の実践につながることを願っています。   3ページ 目次 1 心のバリアフリー とは かっこ1 心のバリアについて  4ページ かっこ2 社会や環境にあるバリア 9ページ 2 心のバリアフリー の実践に向けて かっこ1 都民の 心のバリアフリー に関する認識 10ページ かっこ2 心のバリアフリー の実践のための3つのステップ  13ページ 3 まちのバリアを考える かっこ1 バリアはどこにあるでしょうか 16ページ かっこ2 場面ごとの配慮のポイント 20ページ 4 心のバリアフリー の理解に向けた取組  28ページ 用語解説 30ページ 4ページ 1 心のバリアフリー とは かっこ1 心のバリアについて  高齢の人や障害のある人、乳幼児を連れた人、外国人など、誰もがまちの中で円滑に移動 でき、必要な情報を入手できるようにするためには、どのようなことが必要でしょうか。  エレベーターや視覚障害者誘導用ブロック ※C の整備などのハード面のまちづくりや、 点字や音声、手話、多言語による情報提供とうの情報面でのバリアフリーのほか、人々の心のバリアの解消が必要です。  皆さんは、心のバリアについて考えたことがありますか。  心のバリアとはどのようなものか、まちの中における次のような場面で考えてみましょう。 写真 エレベーターの写真 音響信号機の写真 手話でコミュニケーションをとっている写真 誘導ブロックとエスコートゾーンの写真 5ページ 場面1 聴覚障害のある人や外国人とうが車内放送のアナウンスが分からない イラスト 鉄道が駅に停車して、車内に 事故が発生したため、しばらく停車します と 日本語のア ナウンスが流れています。 車内の人たちは、急いで他の路線へ移動していますが、聴覚障害のある人や外国人、ヘルプ マークを付けている知的障害のある人は、アナウンスがわからないため、何が起きているの かわかりません。 説明 まちの中には様々な人がいます 聴覚障害のある人がいることに気付かず、アナウンスだけで情報を伝えていることでバリア が生まれています。 アナウンスを十分に理解できない外国人や知的障害のある人とうにも情報のバリアが生まれています。 周囲の人も、情報を得られずに困っている人がいることに気付いていません。 様々な人がいることに気付くことが、バリアの解消のために必要です。 6ページ 場面2 視覚障害のある人がまちの中で迷っている イラスト まちなかで、白杖を使用している視覚障害のある人が 点字ブロックはどこかしら と思い ながら歩いています。 その様子に気づいた人が 大丈夫ですか と声をかけ、 点字ブロックはこっちですよ と言って、いきなり腕をひっぱり、無理やり誘導しようとして、視覚障害のある人は、 だれ いきなり腕を引っ張らないで と困惑しています。 説明 求めている手助けの内容も様々です 困っている人に対して、手助けしようという気持ちは重要ですが、本人の意向を確認せず、 行動することは、かえって本人に迷惑や負担をかけ、心のバリアを作り出すことになります。 体や白杖 ※D をいきなり触ったり、引っ張ったり、また、体の向きを変えられると、視 覚障害のある人はとても驚きます。あなたが見知らぬ人から体を突然触られたら、どのように感じるでしょうか。 声かけなどにより、相手の意向を確認し、どのような支援や配慮が必要か正しく理解することが重要です。 7ページ 場面3 混雑していて、車いす使用者とうがエレベーターを利用できない イラスト 混雑している駅のホームのエレベーターに行列ができています。 車いす使用者やベビーカーを利用する人、妊婦がなかなかエレベーターに乗れずにいます。 その人たちに対して 混雑している時間に車いすで利用するな とどなる人や、邪魔だなあ と思って、黙っている人などがいます。 説明 あなたの意識や行動はどうでしょうか 障害のある人や乳幼児づれの人も、通勤時間帯などの混雑時に移動することがあります。 車いす使用者やベビーカーを利用している人に対して理解のない言葉や態度を示す人、また、 それを見過ごしている人々により、円滑に移動するためのバリアが生まれています。 すべての人が平等に社会参加できるよう配慮したり、自分自身の意識や行動が適切であるか、 常に見直すことが必要です。 8ページ 意識と行動でバリアをなくしていく 様々な人々の立場を理解しようとせず、適切な行動を行わないことで、円滑な移動や情報入 手とうが困難になり、平等な社会参加の機会が確保されず、差別を受ける人がいます。 私たちがそのことに気付くことが、心のバリアフリーの第一歩です。 障害のある人は、常に支援が必要だと思っていないでしょうか。また、いつも支援を受ける 側であり、支援をする側にはならないと思っていないでしょうか。 意識の中にこうした偏見や思い込みがあることで、人々の行動やまちの環境にバリアが作り出されます。 バリアをなくすためには、私たちの意識を改め、そのことを行動で示すことが必要です。 すべての人が平等に社会参加できる社会や環境について考え、そのために必要な行動を続けることが心のバリアフリーです。 ユニバーサルデザイン2ゼロ2ゼロ 行動計画 ※E における心のバリアフリー@ 共生社会に向けた基本的考え方 過去において、障害のある人が受けてきた差別、虐待、隔離、暴力、特別視は共生社会にお いてはあってはならないものである。また、障害のある人はかわいそうであり、一方的に助 けられるべき存在といったステレオタイプの理解も誤りである。 障害のある人もない人も基本的人権を享有し、スポーツ活動や文化活動を含め社会生活を営 む存在である。障害の有無にかかわらず、すべての人が助け合い、共に生きていく社会を実 現するということは、人々の生活や心において障害者という区切りがなくなることを意味する。 そのためには、まず、障害者権利条約 ※F の理念を踏まえ、すべての人々が、障害のあ る人に対する差別 かっこ不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供 を行わないよう徹 底していくことが必須である。 その上で、障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されている ものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である、という 障害の社会モデルをす べての人が理解し、それを自らの意識に反映させ、具体的な行動を変えていくことで、社会 全体の人々の心の在り方を変えていくことが重要である。 9ページ かっこ2 社会や環境にあるバリア すべての人が配慮を必要としている 例えば、建物で1階から2階に移動する場合、階段で移動できる人、エレベーターがなければ移動できない人、 荷物が多くてエレベーターが必要な人、エスカレーターを利用する人など、人によって様々なニーズがあります。 手すりがあれば、階段であっても上り下りできる人もいます。 写真 エレベーター、エスカレーター、階段が一か所に集まっている駅の写真  階段があれば、多くの人は2階に行けるかもしれませんが、車いすを使用している人やベビーカーを利用する乳幼児づれの人などは行くことが困難です。  そのことに気付くことが、誰もが暮らしやすい社会につながります。 社会や環境にあるバリアをなくしていく  社会には様々な人がいます。人々の多様性についてお互いを尊重し合い、それぞれの人に 応じた配慮があることに気づき、対応することで、円滑な移動や施設利用、情報の入手が可能になり、社会参加することができます。  障害のあることがバリアなのではなく、障害のある人を含めたすべての人に配慮していない社会や環境にバリアがあります。社会や環境にあるバリアをなくしていくことが重要です。 10ページ 2 心のバリアフリーの実践に向けて かっこ1 都民の心のバリアフリーに関する認識  心のバリアフリーについての現状はどのようになっているのでしょうか。 心のバリアフリーに関する事例収集及び意識調査 平成29年3月 東京都福祉保健局 で、都民の認識とうについて見てみましょう。 とい かっこ まちなかで手助けが必要な場面をイラストで示して イラストのようなことは、よくあることだと思いますか。 イラスト @お店の前の段差で、車いすの人が困っていた。 A満員電車で車いすの人が迷惑がられていた。 B視覚障害者が交差点で困っていた。 C聴覚障害者が電車が止まった理由がわからず、ほかの人に尋ねても情報が得られず困っていた。 D食堂で、もうどうけんを連れた人が入店を断られていた。 E知的障害者が子どもにからかわれていた。 Fマタニティマークをつけた人が目の前に立った。 Gエレベーターに並んでいたら、自分の後ろにベビーカー利用者が待っていた H優先席前に荷物を持った高齢者が立っていた。 I外国の人が道を尋ねたいようだった。 11ページ 図 1 よく見かける 24.9% たまに見かける 56.5% 気づいたことはない 14.5% そのた 2.3%  無回答 1.9% よく見かける と たまに見かける で合わせて約8割。 気づいたことはない という回答も一定程度あります。 とい かっこ まちなかで手助けが必要な場面をイラストで示して イラストのようなことを見かけたとき、あなたはどのようにしますか。    図 2  積極的に本人に声をかけ、手助けする 20.5% 時間があれば、本人に声をかけ、手助けする 37.3% 周囲の人や駅員、店員などに伝える 9.0% しばらく様子を見る 18.6% 何もしない 7.5% そのた 3.2%  無回答 3.9% 積極的に本人に声をかけ、手助けする と回答した人は約2割。 一方、しばらく様子を見る や 何もしない という回答が、あわせて約4ぶんの1となっています。 とい しばらく様子を見る 何もしない と答えた人に しばらく様子を見る 又は 何もしない のはなぜですか。 図 3  どうしていいかわからないから 40.0% かかわるとかえって悪い状態になるから 10.5% 恥ずかしいから 7.7% かかわるのが面倒だから 7.7% 本人が自分で解決すべきだから 2.3% そのた 26.4% 無回答 5.5% どうしていいかわからないから が最も多く約4割でした。 その他の回答内容では、自分自身に障害がある、以前断られたことがある、他の人がしなかったら手助けする などの意見がありました。 ? 12ページ とい 心のバリアフリーとは具体的にどのようなことだと思いますか? 主な回答 かっこ 思いやりをもって手助けすること お年寄りに座席を譲ること 相手を思いやり、手助けし合えること かっこ 差別や偏見がないこと 介助が必要な人や障害のある人に対して、差別なく接すること 健常者、障害者など区別することなく、偏見をもたないこと かっこ 誰もが暮らしやすい社会をつくること 偏見や固定観念など心に潜む見えない壁をなくし、誰もが住みやすい社会を目指すこと 誰でも参加しやすい環境が整っていること 心のバリアフリーに対する印象としては、思いやりをもって手助けすること や 差別や偏見がないこと とうの回答がありました。 行動を起こすことが重要 調査結果からは、多くの人がまちの中で手助けが必要な場面に気付いてはいるものの かっこ図 1、そのうち積極的に声かけをする人は一部で、時間があれば行動するという人や、すぐには行動を起こさない人が多くいます かっこ図 2。 行動しない理由は、どうしていいかわからない という人が多い一方で、恥ずかしいからや 面倒だから なども一定程度あり、以前断られたことがある という回答もありました。どのように行動すればいいのか理解を図るとともに、その理解を行動につなげることが課題となっています かっこ図 3。 ? 13ページ かっこ2 心のバリアフリーの実践のための3つのステップ 心のバリアフリーの実践に向けて まちの中で困っている人に対して、思いやりをもって接することは大切なことですが、その際に重要なのは、障害の有無や年齢、性別、国籍とう、人々の多様性を尊重することであり、意識の中の偏見や思い込みをなくすことです。 また、困っている人がいることに気づいたり、障害に対する正しい理解が進んでも、行動で表さなければ、人には伝わりません。意識や理解を行動で示すことが、心のバリアフリーの実践です。 心のバリアフリーの実践に向けて、次の3つのステップで考えてみましょう。 その1 障害の社会モデルの視点でバリアを理解する すべての人が平等に社会参加できる環境をつくる。それは、誰とでも一緒に移動でき、店舗やサービスとうを利用し、活動に参加できることです。 そのためには、人間関係を含めた社会との関係によってバリアが作られることを理解し、様々な人々がともに暮らしていることを意識することが必要です。 障害のある人のことは考えていなかった 外国人がわからないのは仕方ない と考えていませんか。 そう考える人々の意識や施設の不備など、社会や環境からバリアが作られていることを理解することで、私たちにも、そのバリアを除去するためにできることが見えてきます。 イラスト 紙の資料を使って、口頭で視覚障害のある人と聴覚障害のある人に対して説明する人 視覚障害のある人は、説明がわからず、点字の資料はないのかしら、と思っている。 聴覚障害のある人も、説明がわからず、手話がないとわからない、と思っている。 イラスト まちなかの情報案内板の前で、日本語がわからない外国人が困っている。 英語わからないし、かかわらないでおこうと思って、通り過ぎるひと。 ? 14ページ その2 コミュニケーションをとる バリアにより支障を受けている人に対して、どのような配慮が必要か、コミュニケーションをとり、意向を確認します。 どのようにしたらいいか迷ったときは、何かお手伝いできることはありますか と話しかけたり、相手に応じてメモを見せたり、身振りを用いるなど、工夫して伝えてみましょう。 意向を確認することは、その人の意思を尊重することでもあります。 視覚や聴覚に障害のある人や外国人とうに対しては、コミュニケーション方法にも配慮が必要であり、その人に応じた方法を用意することも重要です。 また、コミュニケーションをとる際には、ヘルパーや通訳者とうの同行者ではなく、本人に対して話しかけることで、本人を尊重するよう配慮する必要があります。 イラスト 困っている様子の視覚障害のある人に対して、なにか手伝いましょうか と声をかけている人 コラム 鉄道やバスの車内で席を譲ったときに、結構です と断られることもあります。 譲られた方も、突然声をかけられて驚き、つい断ってしまったり、あるいは、譲られることが恥ずかしかったのかもしれません。 手助けが不要なこともあるかもしれませんが、それがわかったのはコミュニケーションの成果です。 人や場面が変われば、相手の意向も変わってきます。同じような機会があったら、また声をかけてみてください。 15ページ その3 適切な配慮を行う バリアの解消に向けて、自分にできる具体的な行動を行います。 その際、周囲の人の協力を得る必要がある場合や、別の誰かにつなげなくてはいけない場合があるかもしれません。 大切なのは、バリアを解消して、本人が希望する活動を可能にすることであり、そのために適切な配慮を行うことです。 本人が満足しているか、コミュニケーションを通じて確認しながら、行動することが重要です。 イラスト 荷物をたくさん持って、ベビーカーを利用している人に対して、お荷物何かおもちしましょうか とはなしかける人。 ありがとうございます。お願いします。と答えるベビーカー利用者 イラスト 電車内で高齢の人に ここの席座って下さいと席を譲っている人。 ありがとう助かります。と答える高齢の人 ユニバーサルデザイン2ゼロ2ゼロ行動計画における心のバリアフリーA 「心のバリアフリー」の考え方 ユニバーサルデザイン2ゼロ2ゼロ行動計画で取り組む「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことである。そのためには、一人一人が具体的な行動を起こし継続することが必要である。各人がこの「心のバリアフリー」を体現するためのポイントは以下の3点である。 @障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること。 A障害のある人 かっこ及びその家族 への差別 かっこ不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供 を行わないよう徹底すること。 B自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと。 16ページ 3 まちのバリアを考える かっこ1 バリアはどこにあるでしょうか  実践のための3つのステップに沿って、まちのバリアをなくすためにできることを考えて いきましょう。 場面@ 移動 バリアはどこにあるでしょうか イラスト @重い荷物を持って、杖をついて疲れた様子で歩いている高齢の人。 A車いす使用者が、入り口の段差で店にハイれずに困っている。 B黒地に紫色の字で書かれた文字が見えず、看板の内容がわからずに困っている人 C歩道橋を上ろうとしているベビーカーを利用している人が階段の下で困っている。 D白杖を使って、点字ブロックじょうを歩く視覚障害のある人が、進行方向を放置自転車で 塞がれて困っている。 配慮のポイントは20から21ページ 17ページ 場面A 職場や窓口でのコミュニケーション バリアはどこにあるでしょうか イラスト @受付に来ている車いす使用者と同行者。窓口の係員が、同行者の方を見て、書類とペンを 差し出したので、同行者は困り、車いす使用者は不満げな表情を浮かべている。 Aオフィスで、上司からの口頭での説明や指示がわからず、困っている職員。 Bようやくオフィスについた つらい と思いながら出勤してきた職員 C待合席に座る人が、自分の番号が呼ばれたのに気付かずにいる。 D受付窓口に行きたい白杖を持っている人が、点字ブロックや案内がないため、どこが窓口か分からず困っている。 配慮のポイントは22から23ページ 18ページ 場面B 店舗でのコミュニケーション   バリアはどこにあるでしょうか イラスト 飲食スペースのあるお店 @ヘルプマークをつけたカバンを持っている人が、店内で大声を出して興奮している。 A子どもが棚に置かれたチョコをとろうと手を伸ばしているが、棚が高くて取れない。 B外国人が、日本語しか書いていないメニューの内容がわからず、こまっている。 C補助けんをつれている人が、店員に入店を断られている。 D車いす使用者が、開き戸を開けられないため、入店できずに困っている。 E注文をしたいと思っている人が、インターホンを使えずに困っている。 配慮のポイントは24から25ページ 19ページ 場面C 施設・設備の利用 バリアはどこにあるでしょうか イラスト @女性と大きな男の子が、一緒にだれでもトイレに入る様子を、周りの人が不審そうに見て いる。 A障害者とう用駐車区画に他の車が停まっていて、車いす使用者の車が駐車できない。 B横に階段があるエレベーターの前に、長蛇の列ができている。 肩から大きな荷物を下げているベビーカー利用者が、長蛇の列を見て困っており、ベビー カーの赤ちゃんも泣いている。 Cヘルプマークをつけた人が、使用中の表示がついただれでもトイレの前で困っている。 配慮のポイントは26から27ページ 20ページ かっこ2 場面ごとの配慮のポイント 場面@ 移動 イラスト @杖をついて歩いている高齢者が、ベンチに座り、休んでいる。 A店の入り口にスロープが設置され、車いす使用者がはいれるようになっている。 B看板が黒地に黄色の文字でかかれており、だれもがわかりやすくなっている。 Cベビーカー利用者に、何かお手伝いしましょうか と手助けの声がかかっている。 D視覚障害のある人が、スムーズに歩けるよう、周りの人が点字ブロック上の自転車を移動 させている。 21ページ 解説@ 1 高齢になると、視力や聴力、身体機能が低下することがあります。移動に当たっては、 階段での昇降や横断歩道での歩行とうに配慮が必要です。  また、負担のない移動経路や休憩できるスペースなどの環境整備が整えば、外出しやす くなります。 2 車いすを使用している人が安全に移動できるためには、段差のないルートや通路幅の確 保が必要です。施設の整備が難しくても、スロープの準備やテーブルの移動とうの工夫に より、車いす使用者が使いやすい店内にすることができます。 3 色の見え方に特性のある人は、赤と緑、水色とピンクとう、見分けにくい色の組合せが あるので、印刷物やホームページ、案内サインとうでは、色の組合せや、文字と背景のコ ントラスト、模様や境界線を加えるとうの配慮が必要です。   イラスト 色の組み合わせの絵 見わけしやすい組み合わせ例、しろいろと青色、黄色とくろいろ、緑の明暗 見わけしにくい組み合わせ例、しろいろと黄色、あかいろと緑色、緑色と茶色 4 ベビーカーを利用する乳幼児づれの人が安全に移動できるよう、階段とうでは、ベビー カーを持つ手助けをするなどの配慮が必要です。  妊産婦は体調が変化しやすく、お腹が大きくなるとバランスがとりにくくなったり、足 元が見えなくなるため、段差とうでの転倒に注意が必要です。 5 白杖を持って歩いている人が、まちの中で迷っている様子であったり、転落や衝突の危 険がある場合には、声をかけることが必要です。   また、視覚障害者誘導用ブロックの上には、通行の妨げになるものを置かないよう配慮 することが必要です。視覚障害には、全く見えない全盲や、見えにくい又は多少は見える 弱視があり、弱視の人の見え方は様々です。 イラスト 白杖SOSシグナルのイラスト 白杖を垂直に頭上に掲げるSOSのサイン イラスト 弱視の人の見え方 正常な見え方、ぼやける、眩しい、真ん中が見えない、真ん中しか見えない 22ページ 場面A 職場や窓口でのコミュニケーション イラスト @窓口に来ている車いす使用者と同行者。窓口の係員は、かがんで目線の位置を合わせ、車 いす使用者の方を見て話している。 Aオフィスで、上司からメモや資料により、丁寧に説明を受けている職員 Bようやくオフィスについた職員に対して、大丈夫、無理しないで、と声をかける同僚職員 C音声に加えて、電光表示の案内をすることで、待合席に座る聴覚障害のある人が、自分の 順番が来たときに、きづけるようになっている。 D受付け窓口に行きたい視覚障害のある人に対して、どちらに御用ですか と声をかけてい る。 23ページ 解説A 1 車いすを使用している人は、少しかがんでもらうなど、視線の高さを合わせてもらえる と話しやすくなります。  本人を尊重するために、同行者ではなく、本人に直接はなしかけるよう努めることが重 要です。  写真 かがんで、視線の高さを合わせ、車いす使用者と話す様子 2 職場や窓口とうにおいて、「話している内容を十分に理解できない」、「落ち着きがなくミ スが多い」という人がいたら、コミュニケーションにおいて工夫することが必要です。  簡潔に、ゆっくり、具体的に分かりやすく話しかけ、メモや図などを使って説明するこ とが効果的です。  また、どのようなやり方をすれば、円滑に仕事ができるのか、本人と話しながら、対応 策を講じることが重要です。 写真 コミュニケーションボードを使用して、話す様子 コミュニケーションボードの説明 文字や話し言葉によるコミュニケーションが難しい人に 対して、イラストを指差すことで自分の意思を伝えるボード 3 人と話すと緊張したり、疲れやすかったりする人もいます。そうした人には、本人のペ ースを尊重して、まずは話を聞くことに努め、穏やかに対応することが重要です。  上司や同僚など、職場全体で本人の状況について理解し、必要なときにサポートするこ とも重要です。 4 声をかけても気づかない人は、聴覚に障害があったり、日本語がわからないのかもしれ ません。  聴覚障害の場合、人によって聞こえ方のほか、文章の読み書きや手話の能力が異なるこ とから、本人に確認しながら、その人に合った方法で情報を伝える必要があります。 5 窓口とうの場所が分からず困っている人には、施設や店舗の職員とうから声をかけて、 用件を確認する必要があります。  また、視覚障害のある人に対する説明では、「それ」 「このくらい」 といった表現や 指差しで示すのではなく、「あなたの正面」 「○○くらいの大きさ」 などと具体的に説 明する必要があります。   24ページ 場面B 店舗でのコミュニケーション イラスト 飲食スペースのあるお店 @興奮して大声を出していた人が、店員から店の混雑状況について説明を受けることで、納 得して、穏やかな表情になっている。 A子どもの手が届かない、棚の高いところにあるチョコを、店員がとってあげている。 Bメニューに写真や絵を掲載し、日本語がわからない外国人でも注文できるよう配慮してい る。 C補助けん をつれて入店した人に、店員が席を案内している。 D店員が扉を開け、おさえることで、車いす使用者が入店できている。 Eインターホンのある窓口で、注文をしたい聴覚障害のある人に対して、店員が出てきて筆 談で対応している。 25ページ 解説B 1 本人にとって気になることがあり、じっとしていられない、あるいは、突然大きな声を 出すなどの行動をとる人がいる場合には、まずは、本人の話を聞いて、どういう気持ちなの か理解に努めることが重要です。偏見を持たずに、コミュニケーションをとることから始め てみましょう。 その上で、「静かにしてほしい」など、何かを伝える必要があれば、わかりやすく、ゆっくり、 落ち着いて話してみましょう。 本人が興奮していて、自分一人での対応が難しい場合は、周りの人に協力を求めながら対応 することも必要です。 2 身体が小さい子供は、高い場所のものを取ることができないことに配慮するとともに、 子供の視点で環境を見直すことが必要です。これは、車いす使用者も同様です。また、階 段の段が高いところや車両とホームの隙間とうで、周りの人が注意する必要があります。 3 外国人には、案内表示や説明文、メニューとうに、多言語での表記やふりがな併記、ピ クトグラム かっこ絵文字 イラスト、写真とう、分かりやすい情報提供が必要です。     また、やさしい日本語 ※G を使用することも有効です。  飲食店とうではメニューの多言語対応に加え、多様な食文化や宗教に基づく食習慣、食 の制限があることから、食に関する情報提供が必要です。  イラスト 多言語メニューのイラスト 4 同伴している犬が補助けんの場合もあります。身体障害者補助けんほう ※H に基づ き、公共施設や交通機関、スーパー、飲食店、ホテル、病院、宿泊施設とうは、補助けん を同伴して利用できることを、事業者や利用者は理解する必要があります。  補助けんが障害のある人の目や耳や手になって働いているときは、周囲の人は不必要な 声かけや触ることを控える必要があります。 写真 補助けん 5 車いす使用者は、段差を乗り越えることや開き戸を自分で開けることが難しいため、周 囲の人が配慮する必要があります。車いす使用者が円滑に利用できる環境整備として、自 動ドアや引き戸にすることが必要です。 6 聴覚に障害のある人は、声だけでやりとりするインターホンでコミュニケーションを行 うことが困難です。聴覚に障害のある人が情報を入手したり、コミュニケーションを行う ためには、手話通訳や要約筆記 ※I のほか、筆談、コミュニケーションボード、音声 を文字に変換するアプリとうの準備が必要です。 写真 タブレット端末を使用した遠隔手話通訳の様子 26ページ 場面C 施設・設備の利用 イラスト @女性とヘルプマークをつけた大きな男の子が、一緒にだれでもトイレに入ろうとしている。 周りの人は、ヘルプマークに気付いている。 A障害者とう用駐車区画に停めた車から、車いす使用者が降りてきている。 B肩から大きな荷物を下げているベビーカー利用者が、エレベーターにのっており、同乗者 と笑顔で話している。 C階段を利用できる人がエレベーターの利用を控えることで、エレベーターの列がなくなっ ている。 D内部障害のある人が、オストメイト設備のあるだれでもトイレに入ろうとしている。 27ページ 解説C 1 高齢の人や障害のある人との外出において、トイレの利用で介助が必要な場合に、性別 に関わらず利用できる場所に設置されただれでもトイレを、異性であっても一緒に利用す ることがあります。  また、男女別のトイレを利用しにくいLGBT ※J の人が、だれでもトイレを利用 することもあります。  写真 だれでもトイレの様子 2 車いす使用者は、車から乗り降りするために広いスペースの駐車区画が必要です。その 区画を円滑に利用できるよう、他の利用者は利用を控えるなどの配慮が必要です。 写真 広いスペースの駐車区画の様子 3 乳幼児づれの人は、乳幼児が泣いたり、ベビーカーや乳幼児のための荷物も多く、「周り に迷惑をかけているのではないか」と気にかけている人もいます。  外出しやすい環境のためには、エレベーターやベビーチェア、ベビーベッドのあるトイ レ、授乳・おむつ替えに対応したスペースなどの整備とともに、乳幼児づれの人や妊産婦 に対する周囲の人々の理解と配慮が必要です。 4 エレベーターを必要としている人が円滑に移動できるよう、階段を利用できる人は、混 雑時には、エレベーターの利用を控えるなどの配慮が必要です。 5 内部障害 ※K のある人は、外見からは障害のあることが分かりにくい人もいます。 人工肛門をつけている人には、オストメイト ※L 対応の水洗器具があるトイレの場所 を案内する必要があります。  また、広いスペースやオストメイト対応の設備とうを備えた だれでもトイレは、必要 としている人が優先して使用できるよう配慮する必要があります。  写真 オストメイト対応の水洗器具のようす 28ページ 4 「心のバリアフリー」の理解に向けた取組  「心のバリアフリー」の理解に向けた取組として、区市町村や事業者とうにおいて次のような取組が行われています。 @ 学校での児童・生徒に対する「心のバリアフリー」の理解に向けた学習  小学校や中学校とうにおいて行われている取組で、高齢者や障害者とうと交流しながら、 疑似体験や支援の方法、コミュニケーションをとる方法とうを学んでいます。  人権教育や障害者スポーツなど、様々な機会を通じて、児童・生徒の「心のバリアフリー」への理解を深める取組が行われています。 A 地域住民に対するワークショップとう  地域において、高齢者や障害者とうとの対話を通じて障害理解とうを深める学習会 かっこワークショップ や、区市町村と協働してまち歩き点検とうを行う福祉のまちづくりサポーターの取組が実施されています。  地域住民が高齢者や障害者とうと協働し、コミュニケーションをとることで、障害特性とうに気付き、お互いに理解を深めることができます。 写真 地域住民向けのワークショップをしているようす    まち歩き点検を行っているようす B 事業者での接遇向上研修  事業者において、高齢者や障害者、外国人とう、様々な顧客への接遇向上を目的に職員・従業員に対して研修として実施するもので、障害特性や配慮の方法、コミュニケーションの手法とうを学んでいます。  事業者団体とうにおいて作成された接遇マニュアルを研修テキストとして活用しているところもありま 29ページ C 障害とうえの理解に対する普及啓発 国や自治体における普及啓発のためのイベントの実施やパンフレットの作成とうを通じて、 障害とうえの理解を進める取組です。 障害のある人とうが生活していく上で、どのような困難が生じているかや、配慮や支援の方法、施設・設備の適正利用とう、様々な内容で普及啓発が行われています。 写真 新宿区 ユニバーサルデザインガイドブック    東京都 心のバリアフリーポスターコンクールのポスター    東京都 駐車場、必要な人のために空けておこうのリーフレット  他にも、民間団体で実施している研修やボランティア活動、障害者スポーツに関する取組 など、心のバリアフリーについて理解を深める機会は様々なところにあります。  皆さんも、心のバリアフリーを広げるために、自分にできることを今から始めてみません か。 ※心のバリアフリーに向けた東京都の取組を知りたい方は、 東京都「福祉のまちづくり」ホームページ  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/machizukuri/ 30ページ ■用語解説 ※@ ユニバーサルデザイン  年齢、性別、国籍、個人の能力にかかわらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可 能なように、都市や生活環境をデザインすること。  一方、バリアフリーは、高齢者や障害者とうが日常生活や社会生活を営む上で障壁とな るような社会における事物、制度、慣行、観念、そのた一切の社会的障壁 かっこ バリア の除去を行う取組。 ※A 障害の社会モデル   障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、身体障害、知的障害、発達障害 を含む精神障害、難病その他心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会におけ る様々な障壁と相対することによって生ずるものとする考え方。  例えば、足に障害のある人が建物を利用しづらい場合、足に障害があることのみが原因 ではなく、段差がある、エレベーターがない、といった建物の状況にも原因があるという 考え方。    ※B ダイバーシティ  「都民ファーストでつくる新しい東京 2020年に向けた実行プラン かっこ 平成28 年12月東京都政策企画局 が目指す、3つのシティの一つで、誰もが希望や活力を持って 存分に活躍できる都市に東京を進化させていくこと。 ※C 視覚障害者誘導用ブロック  視覚障害のある人を安全に誘導するために、足うらのしょっかんかくで認識できるよう 地面や床面に敷設されている、突起を表面につけたブロック ※D 白杖  視覚障害のある人が安全に歩行するために用いる白い杖のことで、道路交通法に基づき 道路を通行するときの携行が定められている。 ※E ユニバーサルデザイン2ぜろ2ぜろ行動計画  2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、全国のユニバーサ ルデザインの取組を推進していくため、様々な障害者団体とうの参画を得て、平成29年 2月に閣議決定された計画 ※F 障害者権利条約  障害者の権利に関する条約。障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し,障害者の固 有の尊厳の尊重を促進することを目的として,障害者の権利の実現のための措置とうにつ いて定めたもので、日本は平成26年に批准した。  条約締結の際の国内法整備の一環として「障害を理由とする差別の解消の推進に関する 法律」(障害者差別解消法)が平成25年に制定、平成28年に施行された。 ※G やさしい日本語   「簡単な表現を用いる」、「文の構造を簡単にする」、「ふりがなをふる」などの工夫をす ることで、普通の日本語よりも簡単で外国人にもわかりやすくした表現方法 31ページ ※H 身体障害者補助けんほう 身体障害のある人が身体障害者補助けんなどを伴って社会で活動できるように支援すること を目的として定められた法律 ※I 要約筆記  聴覚障害のある人のために、その場で話されている内容を文字にして通訳する方法 ※J LGBT レズビアン かっこ女性同性愛者 ゲイ かっこ男性同性愛者 バイセクシュアル かっこ両 性愛者 トランスジェンダー かっこ出生時に判定された性別と異なる性別で生きる人、あ るいは生きたいと望む人 の頭文字をとって作られた言葉で、性的マイノリティと呼ばれ ることもある。 ※K 内部障害  心臓機能、呼吸器機能、腎臓機能、膀胱・直腸機能、小腸機能、肝機能、HIVによる 免疫機能のいずれかの障害により日常生活に支障がある人 ※L オストメイト  尿をためる膀胱や、便をためる直腸の病気による機能の低下又は喪失により、排泄物を 体外に排泄するための人工肛門・人工膀胱を造せつした人。   ■参考資料とう ・「区市町村や事業者のための 心のバリアフリー及び情報バリアフリーガイドライン」かっ こ平成28年3月 東京都福祉保健局 ・「心のバリアフリー・情報バリアフリー研究シンポジウム 私たちの活動報告「ここから始 めよう」かっこ平成28年11月19日開催 東京都福祉保健局 ・「心のバリアフリーに関する事例収集及び意識調査」かっこ平成29年3月 東京都福祉保 健局 ・「障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル」かっこ平成28年2月 東京都オリンピック・ パラリンピック準備局、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会 ・東京都障害者差別解消法ハンドブック かっこ平成28年3月 東京都福祉保健局 ・「障害者権利条約パンフレット」かっこ平成27年2月 外務省 ・「ユニバーサルデザイン2ぜろ2ぜろ行動計画」かっこ平成29年2月 内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 ・「ユニバーサルデザインガイドブック ユニバーサルデザインってなんだろう」(平成27 年11月 新宿区都市計画部) ・「ユニバーサルデザインガイドブック 心と心でコミュニケーション」(平成28年3月 新宿区都市計画部) ・「ユーディートライ」かっこ平成29年3月 江東区都市整備部 ・「小学生のためのユニバーサルデザイン体験教室ハンドブックぱーと1」(平成28年3月 練馬区福祉部) 参考 ○ヘルプマーク  義足や人工関節を使用しているかた、内部障害や難病のかた、又は妊娠初期のかたなど、 外見からわからなくても援助や配慮を必要としているかたがたが、周囲のかたに配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう作成したマーク。 ○ヘルプカード  障害のあるかたとうが、災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのカード。  写真 ヘルプマーク ヘルプカード 裏表紙 印刷番号 31の466 心のバリアフリーの実践に向けたハンドブック 平成30年3月発行 平成30年5月増刷 令和2年3月増刷 編集・発行 東京都 福祉保健局 生活福祉部 計画課 郵便番号163の8001 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号